わたしたちはエホバのもの
「エホバをその神とする国民,神がその相続分として選ばれた民は幸いだ」。詩編 33:12
歌: 62,58
1. エホバはすべてのものを所有しておられる,と言えるのはなぜですか。(冒頭の写真を参照。)
エホバはすべてのものを所有しておられます。「天,すなわち天の天も,地とそのすべてのものも」エホバのものです。(申 10:14。啓 4:11)わたしたち人間もエホバのものです。エホバによって造られたからです。(詩 100:3)しかし,エホバは歴史を通じ,特定のグループの人々をご自分の民として選んでこられました。
2. 聖書によると,特にだれがエホバのものと言えますか。
2 詩編 135編では,古代イスラエルの忠実な崇拝者たちがエホバの「特別の所有物」と呼ばれています。(詩 135:4)ホセアは,イスラエル人ではない人々がエホバの民になると予告しました。(ホセ 2:23)その預言は,エホバがキリストの共同支配者としてユダヤ人ではない人々も選ばれるようになった時に実現しました。(使徒 10:45。ロマ 9:23‐26)それら聖霊で油そそがれた人たちは「聖なる国民」と呼ばれており,天での命を受ける見込みがあります。彼らはエホバの「特別な所有物」です。(ペテ一 2:9,10)地上で永遠に生きる希望を持つ忠実なクリスチャンも,エホバから「わたしの 民」また「わたしの選ぶ者たち」と呼ばれています。(イザ 65:22)
3. (イ)今日,だれがエホバの民となっていますか。(ロ)この記事ではどんなことを考えますか。
3 今日,天的な希望を持つ「小さな群れ」と地的な希望を持つ「ほかの羊」は「一つの群れ」となっています。エホバは彼らをご自分の民として深く愛しておられます。(ルカ 12:32。ヨハ 10:16)わたしたちは,エホバがご自分の民としてくださったことを心から感謝しています。この記事では,そうした特別な栄誉を与えてくださったことへの感謝をどのように表わせるかを考えます。
エホバに献身する
4. エホバがご自分の民としてくださったことへの感謝をどのように表わせますか。イエスはどんなことをしましたか。
4 エホバに感謝を表わす1つの方法は,エホバに献身することです。バプテスマを受ける人は,自分がエホバのものであること,エホバに進んで従うことを正式に表明します。(ヘブ 12:9)イエスも同じようなことをしました。バプテスマを受けた時,いわばこう言っていました。「わたしの神よ,あなたのご意志を行なうことをわたしは喜びとしました」。(詩 40:7,8)イエスは生まれた時から神に献身した国民の一員でしたが,エホバのご意志を行なうために自分を差し出しました。
5,6. (イ)イエスがバプテスマを受けた時,エホバはどうお感じになりましたか。(ロ)すべてのものを所有しておられるエホバが,わたしたちの献身を喜んでくださるのはなぜですか。例えで説明してください。
5 イエスがバプテスマを受けた時,エホバはどうお感じになったでしょうか。聖書にはこうあります。「バプテスマを受けたのち,イエスはすぐに水から上がられた。すると,見よ,天が開け,イエスは,神の霊がはとのように下って自分の上に来るのをご覧になった。見よ,さらに天からの声があって,こう言った。『これはわたしの子,わたしの愛する者である。この者をわたしは是認した』」。(マタ 3:16,17)イエスはすでにエホバのものでした。しかし,イエスが神のご意志を行なうために自分を進んで差し出した時,エホバはとても喜ばれました。エホバはわたしたちの献身も喜んで受け入れ,祝福してくださいます。(詩 149:4)
6 例えで考えましょう。父親が自分の庭にきれいな花をたくさん植えました。ある日,幼い娘が庭から花を1本摘んで父親にプレゼントします。その花は元々父親のものではなかったでしょうか。父親のものを父親にプレゼントすることなどできるのでしょうか。優しい父親はそんなふうに考えたりはしません。そのプレゼントには娘の愛情がこもっています。父親にとって,娘からもらった1本の花は,庭の花全部より価値があるはずです。わたしたちが進んで献身する時,エホバも心から喜んでくださいます。(出 34:14,脚注)
7. マラキ書によると,エホバはご自分に進んで仕える人についてどうお感じになりますか。
7 マラキ 3:16を読む。あなたは献身してバプテスマを受けましたか。もしまだなら,そのようなステップを踏むことが大切なのはなぜかを考えてみてください。あなたも他の人たちと同様,生まれた時からエホバのものです。でも,あなたがエホバの主権を認め,献身して神のご意志を行なうなら,エホバはとても喜んでくださいます。(箴 23:15)エホバはご自分に進んで仕える人に目を留め, 「覚えの書」にその人の名前を記してくださいます。
8,9. エホバは「覚えの書」に名前を記されている人に,どんなことを求めておられますか。
8 神の民の一人として「覚えの書」に名前を記されることには責任が伴います。マラキによれば,「エホバを恐れ……そのみ名を思う」必要があります。エホバ以外のものを崇拝するなら,わたしたちの名前は「命の書」から消し去られるでしょう。(詩 69:28,脚注。出 32:33)
9 神のご意志を行なうことを約束し,バプテスマを受ければそれで十分というわけではありません。神の民の一員としてエホバの側にとどまるには,献身しバプテスマを受けた後もずっとエホバに従い続ける必要があります。(ペテ一 4:1,2)
世の欲望を退ける
10. エホバに仕える人と仕えない人にはどんな違いがありますか。
10 前の記事では,カインやソロモンやイスラエル人について考えました。彼らはエホバを崇拝していると言っていましたが,全き専心を示してはいませんでした。エホバのものである人は,義を愛し,悪を憎まなければなりません。(ロマ 12:9)マラキによれば,エホバは「義なる者と邪悪な者,神に仕える者と仕えなかった者」には明確な「相違」があると語られました。(マラ 3:18)
11. エホバへの全き専心が他の人の目にも明らかになるようにすべきなのはなぜですか。
11 エホバがご自分の民として選んでくださったことへの感謝を,ほかにどんな方法で表わせるでしょうか。自分の進歩が「すべての人に明らかになるように」することです。(テモ一 4:15。マタ 5:16)こう自問しましょう。「わたしがエホバに全く忠節であることは,他の人の目にも明らかだろうか。エホバの証人であることを他の人に進んで伝えているだろうか」。自分がエホバの民であることを隠そうとするなら,エホバは深く悲しまれるでしょう。(詩 119:46。マルコ 8:38を読む。)
12,13. どんな面で,世の人たちと見分けにくくなっている兄弟姉妹がいますか。
コリ一 2:12)「世の霊」に従う人は「肉の欲望」のままに行動します。(エフェ 2:3)例えば,服装や身なりについて,これまで何度もアドバイスが与えられてきました。それでも慎みのない服装や身なりをしている人たちがいます。集会に来る時も,タイトな服や露出の多い服を着ています。極端なヘアスタイルの人もいます。(テモ一 2:9,10)群衆の中にいたら,エホバの民なのか「世の友」なのか見分けがつかないでしょう。(ヤコ 4:4)
12 残念なことですが,「世の霊」に従い,「神に仕える者」か「仕えな[い]者」か見分けがつかなくなっている兄弟姉妹もいます。(13 世の行ないを退けていない兄弟姉妹もいます。例えば,パーティーなどで,クリスチャンにふさわしくないダンスや行動をしています。神の民とは思えないような写真やコメントをソーシャルメディアに投稿しています。重大な罪を犯して矯正されたことはないかもしれませんが,りっぱに行動するよう努力している兄弟姉妹に悪い影響を与えています。(ペテロ第一 2:11,12を読む。)
14. エホバとの特別な友情を守りたいなら,どのように行動しなければなりませんか。
14 世は「肉の欲望と目の欲望」を刺激し,「自分の資力を見せびらかす」よう勧めます。(ヨハ一 2:16)しかし,エホバのものであるわたしたちは,「不敬虔と世の欲望とを振り捨て……現存する事物の体制にあって健全な思いと義と敬虔な専心とをもって生活す[る]」よう教えられています。(テト 2:12)会話,飲食,服装,仕事など生活のどんな面においても,エホバの民であることが明らかでなければなりません。(コリント第一 10:31,32を読む。)
「互いに対して熱烈な愛を抱きなさい」
15. 親切に愛情深く兄弟姉妹に接するべきなのはなぜですか。
15 エホバとの特別な友情に感謝しているテサ一 5:15)イエスはこう述べました。「あなた方の間に愛があれば,それによってすべての人は,あなた方がわたしの弟子であることを知るのです」。(ヨハ 13:35)
ことは,兄弟姉妹への接し方に表われます。兄弟姉妹もエホバのものです。その点をいつも心に留めていれば,親切に愛情深く接するはずです。(16. エホバがご自分の民に対して抱いておられる気持ちは,モーセの律法のどんな規定から分かりますか。
16 兄弟姉妹への接し方が大切なのはなぜでしょうか。次の例で考えてみましょう。エホバの神殿の器具は,清い崇拝のために献じられ,取り分けられていました。モーセの律法ではそうした器具の扱い方が規定されており,その規定に従わない人は死に処されました。(民 1:50,51)崇拝で使用される器具をエホバがそれほど大切にしておられたのであれば,献身した忠節な崇拝者をなおのこと大切に思っておられるに違いありません。エホバはご自分の民にこう言われました。「あなた方に触れる者はわたしの目の玉に触れているのである」。(ゼカ 2:8)
17. エホバは何に注意を向けておられますか。
17 マラキによれば,エホバはご自分の民の会話を「注意して聴いておられ」ます。(マラ 3:16)「ご自分に属する者たちを知っておられ」ます。(テモ二 2:19)わたしたちの言動一つ一つに注意を向けておられます。(ヘブ 4:13)兄弟姉妹に不親切なことを言わないようにしましょう。エホバが「注意して聴いておられ」るからです。むしろ,互いにもてなし,寛大に与え,許し,親切を示しましょう。エホバはそのような良い行ないも見ておられます。(ヘブ 13:16。ペテ一 4:8,9)
「エホバはご自分の民を見捨て」ない
18. エホバの民でいられることへの感謝をどのように表わせますか。
18 わたしたちは,エホバの民でいられることへの感謝を表わしたいと願っています。エホバに献身し,自分がエホバのものであることを認めるのは賢明なことです。「曲がってねじけた世代の中」で生活していても,「とがめのない純真な者」であることを明らかにし,「世を照らす者として輝き」たいと思います。(フィリ 2:15)エホバが憎まれることを行なわないようにします。(ヤコ 4:7)兄弟姉妹を愛し,敬います。兄弟姉妹もエホバのものだからです。(ロマ 12:10)
19. エホバはご自分の民をどのように祝福してくださいますか。
19 聖書には,「エホバはご自分の民を見捨て[ない]」と約束されています。(詩 94:14)これは確実な保証です。わたしたちがどんなに難しい状況に置かれても,エホバは決して見捨てたりされません。死でさえ,エホバの愛から引き離すことはできません。(ロマ 8:38,39)「わたしたちは,生きるならエホバに対して生き,死ぬならエホバに対して死ぬからです。それゆえ,生きるにしても死ぬにしても,わたしたちはエホバのものです」。(ロマ 14:8)エホバは,亡くなったご自分の忠節な友を復活させてくださいます。わたしたちはその時を心待ちにしています。(マタ 22:32)今でもたくさんの祝福を受けています。確かに,「エホバをその神とする国民,神がその相続分として選ばれた民は幸い」です。(詩 33:12)